ダメ男依存症候群 EXTRA



 ピンポーン


 インターホンの音がした。

 きっと彼だ!


 あたしは急いで玄関に向った。



 ドアスコープを覗くと、予想通り彼の姿があった。

 あたしはすぐにドアを開けた。


「やあ」

 あたしと目が会うと、彼は優しく微笑んで挨拶をした。


「いらっしゃい」

 あたしも思わず顔を緩ませながらかれに挨拶を返す。


「どうぞ、あがって」

 あたしはすぐに彼を中にすすめた。


「ありがとう……あれ?」

 突然彼の視線があたしの顔から下に向いた。


「え……あっ」

 あたしも視線を下にして、気付いてしまった。

 急いできたから、思わずシュンのご飯の箱を持ったまま玄関まで来てしまっていた。


「やだ、あたしったら……」

 あたしはすぐに箱を背中に隠した。


 恥ずかしいっ……こんなところ見られるなんて……


「犬にエサあげてたの?」

 彼がクスッと笑いながら言った。


「う、うんっ……ちょうどあげようとしてて……」


「きゅーん」

 しどろもどろになっていると、後ろからシュンの声がした。


 いつの間にか、シュンが玄関までやってきていた。

 しかも、お皿をくわえて持って来ている。


 あたしってば、シュンにご飯あげる前に来ちゃったんだ。


「ごめんね、シュンっ。すぐご飯あげるからね。……あ、どうぞ、上がって」

 シュンに言ってから、すぐに彼にもまた部屋の中にすすめた。


「うん。ありがとう」

 彼はクスクス笑いながら部屋の中に入った。


「犬、雑種って言ってたけど、可愛いじゃん」

 靴を脱ぎながら彼が言った。


「そう? でもたまに困ったことするから手がかかるの」

 あたしは謙遜して言ったけど、内心ホッとしていた。


 恥ずかしいところを見られてしまったけど、シュンに対して嫌な印象を持たなかったみたいだ。


「じゃあ、すぐにご飯の用意するね」

 彼をリビングの座布団に勧めて、あたしとシュンは台所に入った。