こんな感じで、色々ありながらもあたしはシュンとの生活を楽しんでいた。
独身女が犬を飼うと結婚できなくなるって聞いて、少し不安に思ったところはあったけど、気にしないことにした。
ていうか、全然そんなことなかったし。
「ただーいまー」
あたしはいつもより浮かれて家に帰った。
するといつも通り旬が出迎えてくれた。
「ワン!」
「シュンー。いい子にしてた?」
靴を脱いで部屋に上がり、あたしはシュンの首筋をいつもより撫でてやった。
「キューン」
シュンは気持ち良さそうに目を瞑っている。
「あのね、シュン。聞いて。今度ね、彼がうちに来てくれることになったの」
あたしはシュンに報告をした。
最近できた、彼のことを……
彼は、五つ年上の会社員。
出会いは、三ヶ月前、友達と行ったバーで。
偶然彼も来ていて、声をかけられた。
まあ、平たく言えばナンパなんだけど。
それでとにかく、いい人だなあって思って、その後もメールをしたり、食事に行ったりして……どちらからともなく、付き合うことになった。
でも、デートはしても、まだ泊まりとかはしてなくて……その、男女の関係にはなっていなかった。
あたしはシュンを飼っているから、夜に放って出かけるなんてことができなかった。
他の用事とかで家を空ける時は、友達とか実家に預かってもらっていたけど。
流石に男の人とデートだから、という理由では気が引けた。
だから、彼には申し訳なく思ってたんだけど……
彼の方が、あたしの家に行ってもいいかと聞いてきた。
多分、あたしに気を使ってくれて、それでもあたしと一緒に居たいって思ってくれたんだと思う。
そして、ついにそういう関係にも……
……て! 別にそういうことをしたいわけじゃないけど!
とにかく、久々の恋愛事にあたしのテンションは上がる一方だった。
「キューン……」
シュンにはやっぱり何のことか分からないようで、小さく鼻を鳴らすだけだった。


