その日の掃除の時間。






私はいつもより早く、





掃除場所へ向かった。






キーンコーンカーン…





掃除開始のチャイムがなった。





ゾロゾロと同じ班の子が来るものの、





光は来ない。




5分後、担任の先生が来た。




担任「おー、掃除ちゃんとしろよー」




「「「はーい」」」




担任「あれ?前吉は?」




皆はいないことに気づかなかったのか、




キョロキョロと見渡す。





担任「いないなぁ、ちょっとお前。」





そう言って担任の先生は誰かの肩を、





ポンと叩いた。




担任「お前、班のリーダーだろ?探してこい。」





班のリーダー…?




誰だっけ?





…。







…。






…。






私だ。






美「あっ、わっ…かりました。」





いいのか、悪いのか…笑笑





とりあえず私は教室へ向かった。






教室の真ん中がガヤガヤとうるさい。





その真ん中に光はいた。




光「俺さぁ〜」





喋ろうしていた光の前に立ち、





私は言った。




美「掃除場所、ここじゃないよ?」





光「あ、…」





光は教室が掃除場所だと思い込んでいたのか、ぽかんとしている。




美「行くよっ、先生に怒られちゃう」





光「あ、そーだな、ありがと」





ありがと…。




なんてことない、挨拶みたいなものなのに、






どうしてこんなに、心がキュッと、





苦しくなるのだろう。