「ちょっと、離れて。」


「なんで?」


「怪我するから。離れて?」


「ああ」


私は指をならし、


「響!」


と唱える。

呪文が短くてもいいのは、
その分力を使うからで…。


だって、隼永くんの前で長い呪文言うの嫌だもんね。


「よし、消えた。」


「優梨、すごいな。」


「別にすごくないよ。

どこか怪我とかしなかった?」


「ああ、大丈夫。」


「よかった。」


そういって隼永くんに笑いかけた。