「杏、帰ろ。」


「優梨、立てる?」


「立てる。」


そういって椅子から立ち上がる。

だけどフラッとしてしまう。


「優梨、無理しないで?」


「うん……、でも帰りたいし。」


「あ、じゃあ和泉くん呼ぼうよ。」


「でも……迷惑かけたくない……。」


私がそういったその時


「迷惑……少しくらいかけろよ。」


後ろから声がした。隼永くんだ。


「なんで……いるの?」


「芳樹に聞いた。」


「芳樹くんに?」


「ああ。」


「そっか。」