「優梨、いくぞ。」


「ちょ、ちょっと待って~。」


今日は退院する日。

目覚めてから1週間がたった。

退院する今日も、それまでも、隼永くんは毎日病室に来てくれた。

そして、今は、空港を出たところ。


「荷物、貸せ。」


「あ……うん。ありがとう。」


持っていた荷物を、隼永くんが持ってくれる。

いつも、優しいんだよね。隼永くんは。