今は冬。
やっと雪も溶け始めた暖かい3月下旬。
私は小学5年生の一切を終えようとしていた。
『李音ー。明日漢字のテストだよー ! ! 』
掃除の時間。親友の早枝はダルそうにそう言った。
私、佐野李音。
身長も体型も標準。
学年の中でモテるそうですよ、奥さん。__アハハ.....
本当はそんなんじゃないけど。
「早枝はさ、どうせ100点とるんだから。」
嫌み混じりで言ったが、本当のことだ。
運動一本の私と違い勉強も運動も、バランス良く出来る早枝。
憧れるよね。
『李音だって、勉強すれば100点狙えるじゃん。』
「狙えないから。」
『ま、李音が成績良くなったら泣くけどね、早枝は。』
.....どういう意味だろうか。
ま、いーか。
「とりあえず、頑張ろうね。」
二人でそういいながら掃除を適当に済ませ、
私は保健室に遊びに行った。
その時、保健室に行かず、早枝と居れば
このまま変わることがなかったのかもしれない。