返事がくるまえに私は行った。
『...血が流れすぎています。
このままだと...』
『そ、そんなぁっ... !遼子ぉぉっ...』
遼子と呼ばれる女の子。
みるだけでも...惨いっ...
私は急いで筆箱からハサミをとりだした。
そして、自分の指を軽く切る。
ツゥ-ッ...
『いたっ...』
でも、我慢しなきゃいけない。
遼子さんを助けるためだ。
『すみません!通してください!』
『なんですか!下がって!』
『いいから!黙って!』
私の必死さが伝わったのか、救急隊員は
黙って下がっていった。
『...どうやら通り魔にやられたそうです。』
...お腹をナイフでずぶりか...
ありえない。大事なお腹を...
そう思いながら私は、さっき切った
切口からでてる血を遼子さんの口に
一滴...二滴、垂らした。

