その日も麻恋と一緒にグラウンドで龍星の部活が終わるのを待っていた…
「龍星って本当、サッカーバカだよね。」
麻恋は、呆れたように龍星を目で追いかけながら呟く。
「でも、凄いよねー
勉強もできるし、サッカーもやってる。」
龍星は、本当に凄いって思う。
だって部活と勉強の両方をやっているんだもん。
きっと私だったらどっちかが疎かになると思うから…
なーんて考えながら私はぼーっと龍星を見つめていた…
するとこっちにボールが飛んでくる…
「姫優!!!
危ない!!!」
私が気づいた時にはもう遅くて…
ぶつかるっと思って目をぎゅっとつむる…
しばらくしても、私には痛みがない…
恐る恐る目をあけると…
「大丈夫?
びっくりしたよね?
ごめんね…」
私の目の前にはボールを持った、男の人が申し訳なさそうに立っていた。
それが今の彼、海翔(かいと)だった…
海翔はそれを気によく話しかけてくるようになった…
海翔は龍星が最も慕っている先輩で龍星を通して私達も仲良くなった。
私達が付き合うようになったのは
それからしばらくしてからだった…
