名前のなき想い



「姫優!」

突然、海翔から大きな声で名前を呼ばれ私は立ち止まる。

「姫優、ちょっと話せないかな?」

私は何も言わずただ立ちつくす。

「行くぞ。」

龍星がまた私の手を引いて歩きだそうとするけど私はそれを拒む…

きっと私は、このまま海翔と話しをしなかったら後悔するそう思ったから…

「ごめん。龍星私ちょっと行ってくる。」

私は龍星の手を払いのけ、海翔の元に向かう。

私たちは近くのベンチに腰掛ける。 
 
しばらくの沈黙…

それを破ったのは海翔だった。
       
「もう1ヶ月もたつんだね。
俺達が別れて…」

海翔は少し悲しそうに空を見つめながら呟いた…

「そうだね…」

「姫優はちゃんと前に進めてるみたいでよかったよ。」

海翔は私に笑いかける。

私は、何も答えられなかった。

海翔?
私は全然前になんか進めていないよ…
はたからみればそう見えるのかもしれない…

けど、今もまだ海翔の事を思っている…

だってほら、海翔を思うと胸が締め付けられる…

「海翔は?」

私は海翔に尋ねる…

「俺はまだ少し引きずってる…」

海翔は私に笑顔を向け
そう言ったが全然笑えていなかった…