名前のなき想い



私は海翔から離れ…

「ありがとう。
私も海翔が大好きだったよ。」

これは、私の本当の気持ち…

この言葉は嘘なんかじゃない…

私は彼の顔を見つめる。

「海翔…ごめんね…
海翔と一緒にいたこの3年間は凄く幸せだったよ…
ありがとう…」

私は海翔に精一杯の笑顔を向ける。

ありがとう。とごめんね。の意味を込めて…

海翔は俯いたまま、しばらく黙っていた…

「海翔?」

私が彼の名前を呼ぶと彼は視線を私に向け、

「姫優…本当にごめんな。
俺久しぶりに姫優から会いたいって連絡が来て…
ちょっと思ったんだ…
別れよう。って言われるんじゃないかって…」

海翔は凄く悲しそうにそう言った。

海翔もわかっていたんだね…

私が別れを告げようとしていたことに…

「海翔…ごめんね…」

「姫優が謝ることない。
俺が姫優をそんな気持ちにさせたんだから…」

海翔は最後まで、
私を責めることはなかったね…

そんな海翔に私は、胸が苦しくなった…

私が見たのは嘘だったんじゃないかって…

「海翔…ありがとう。」 

「俺の方こそありがとう。
姫優と付き合えて凄く楽しかったし、幸せだった。」

海翔は私の頭に手をおき髪の毛をぐしゃぐしゃにして笑っていた。

私が大好きな笑顔で…