名前のなき想い


「起きたの?
具合はよくなった?」

そこには私がお昼に食べた食器を洗っている龍星がいた。

私が驚いて立たずんでいると…

「アイス買ってきたよ。
食べる?ってか
アイスの味きいてなかったから
姫優がいつも頼んでるの買ってきたけど… 
これでよかった?」

そう言うと龍星は冷凍庫からアイスを取りだし
私にアイスを見せてくる。

「うん。いいんだけど…
龍星なんでここにいるの?」

「あー母さんが姫優の様子見てこいって言うから。
アイスを届けるついでにきたんだよ。」 

「そうなんだ。でもなんで家の中にいるの?」

「姫優の母さんがもしものことがあったらって合鍵を母さんに渡してたんだよ。」

龍星はそう言うと
ポケットから鍵を取りだし
私に見せてくれた。

「あーあなるほど。
でもそこまでしなくてもいいのにね…」

私が苦笑いを浮かべると、

「姫優の母さんは心配性だからね。」

って龍星は目尻を下げ笑う。

「あっ!!!熱は下がった?」

龍星はそう聞いてくると
私のおでこに自分のおでこをくっつけ
体温を確認する…