名前のなき想い



次の日…

目覚ましが鳴り、体を起こそうとすると
目眩に襲われる…

風邪引いちゃったんだ…

そりゃそうだよね…

雨が降ってるのに傘もささずにいれば風邪も引くよね…

でも、風邪を引いてほっとしている自分がいた…

だって学校になんて行く気にもなれないし…

誰にも会いたくなかったから…

「姫優?大丈夫?
お母さん仕事行くけどなんかあったらすぐ連絡するのよ?
もしお母さんに繋がらなかったら
龍星くんのお母さんに連絡しなさい。
お母さん龍星くんのお母さんに伝えておくから。」

お母さんは昔から凄く心配性…

多分お父さんと離婚してからこんなに心配性になったんだよね…

お母さんには、私だけが唯一の家族だから…

「大丈夫だよ。
大したことないから。」

私はお母さんに笑顔を向ける。

「そう?
じゃあお母さん行ってくるから。」

お母さんはそれだけ言うと仕事に出掛けて行った。