「ただいまー。」

「おかえり。」

私の声に気づいたお母さんがリビングから顔を出し、

「姫優、今日は遅かったわね!
もうすぐご飯だから、着替えてらっしゃい。」

そう言うとまたリビングに戻って行った。


「はぁーい。」
とだけ返事をし自分の部屋に着替えに行く。


私の家はお父さんがいない。

私が小さかった頃にお父さんとお母さんは離婚した。

それ以来お母さんは、一人で私を育ててきた。

だから、私は大学に行き、
いい就職先で働いて
お母さんに少しでも楽をさせてあげたいと思っている…

「いただきます。」

二人で手を合わせ、食事を楽しんでいると…

「最近はどう?学校。」

お母さんが話しかけてくる。

「なんも変わらないよ。」

「そうなの?
今日は珍しく帰りが遅かったけど海翔くんと会ってたの?」

「違うよ…
麻恋と龍星と遊んでたの…」

「あらそうなの?
姫優はほんと麻恋ちゃんと龍星くんと仲がいいんだから。」

お母さんはふふっと笑って

「ごちそうさま。」

と先に食器を片付け洗いはじめる。  

「ごちそうさま。」
                 
私も食器を片付け…

お風呂にはいり…

ベットに横になると睡魔に襲われ
髪も乾かさないまま眠りにつく。