そんな麻恋の背中を黙って見送り、

私は龍星と家までの帰り道をまた歩きはじめる…

「麻恋結局何も言わないまま帰っちゃったね…」

「そうだね。
人の顔を指で指しておいて。
なんなんだよー」

「ってか、龍星って好きな人でもいるの?」

「どうして?」

「あんだけ告白受けてるのに、付き合ってないでしょ?」

「そんなに僕のこと気になるの?」

龍星は私の顔を覗きこみそう聞いてくる。

「いや!気になると言うか…
なんというか、ただ幼なじみとしてなんでなのかなぁーと」

私は龍星から顔を反らしそう応えると…

「僕好きな人いるから…」

龍星の発言に驚いて、龍星を見ると  

龍星は少し悲しそうな表情で私を見ていた…

はじめてみる龍星の表情に目が離せないでいると…

「じゃあ、また明日な。」

そんな龍星の言葉にハッとして辺りを見るともう家の前で…

「今の話し内緒な。」 

龍星は私の頭をぽんと撫で自分の家へ向かう。

私は隣の家の扉が パタン と閉まる音を確認し、自分の扉に手をかけ家に入る。