「乾杯ー」
友達の空綺はワインを飲む。私は水だ。

正直言ってお酒はあまり好きではない。
酔っぱらっている人を見ると嫌悪感がする。
今日は久々に高校生のときの大親友とのご飯だ。

わたしのお気に入りのレストランにしたのだが混んでいた。

「なんかつれない顔してんねー」
「え?そう?」
「うん。なんか悩みでもあるの?」
空綺にきかれ戸惑う。
悩み…か。

「数えたらきりないけど…やっぱり将来の不安かな。このまま一人きりなのかと思うと…」
「なんだーそんなことか!」
「“そんなこと”じゃないって!
重要なんだよ」

まじで。
「私、大学生の時に付き合った人が最後でそれっきり恋愛がない、の!」