君、想い。

鈴は、私がこの言葉を聞いて大人しくなることを知っている。


「杏珠」


回した腕にさらに力をいれる鈴。


なぜ、自分がこの言葉に弱いのか、ほんとにわからない。


分からないけど、この力強さが、鈴の想いだってことを私は痛いほどに伝わってくる。


でも、恋を知らない私は、鈴の想いにどうこたえればいいかわからずに、


戸惑うことしかできない。


それが、すごく辛いんだ。


きっと私は、鈴をを拒絶できない。


「鈴、もう昼休みおわるよ?」


「だめ、もう少しこのままがいい」