君、想い。

「咲に決まってるじゃん」


あたりを見回しながら答えれば鈴は少し不服そうだ。


「なんで七瀬なんだよ?」


「なんでって、お昼一緒に食べるから」


なんで咲を探してるだけでこんなふうになるのよ、、、。


鈴の頭の中って理解できない。


「七瀬ならさっき大悟と保健室いったぞ?」


「え?咲、気分でも悪いの?てかそれを早く言ってよ、あたしも行ってくる」


そう言って歩き出そうとした私の腕を鈴が掴む。


「え?なに?」


「いいのか~?今行って、七瀬気分がわるいわけでもなかったし。今日は保健室のせんせーいないってさっき大悟に俺が教えたし~」


わざとらしく言ってくる鈴。


「っと、ここまで言えばわかるだろ?」


と、にやにや顔で言ってくる。


いや、まったくわからん。


というか、分かりたくない。


ここまで言われたらさすがに私も分かる。


密室に男女がふたりっきりですることといえば、


アレ、しかない。


まったくも、咲ってば、あんなに可愛いのに、昼からアレ、なんて、


「それで?」


理解したことを認めたくないため、鈴に次の言葉をうながした。