「ほんっと、咲原さんって可愛いよね~!」


「あー、わかるわかる!めっちゃモテてるよね!!ねっ、加奈!」



「うん、嫁にしたいぐらい」



いつもと変わらない女子トーク。



今日の話題は、隣のクラスの咲原さんみたいで。



「あははっ、加奈らしいね~」


朱里の緩い声を聞きながら、弁当を頬張る。


「あんたに彼氏が出来るか心配だわ」



そんな私をみて、やれやれと、さやかが言う。


「ん?ああ、ないない!
だってあたし男子とかどうでもいいし。つーか、公認だし!!」



それだけいうと、また弁当を頬張った。



周りはやれやれと、ただ笑うだけ。





別に見た目が男っぽい訳じゃない。髪は一応、セミロングだし、身長も高すぎではない。158で、普通だと思う。



ただ、見た目じゃなくて中身。



がさつで男らしい、それが私。そこらへんの女子みたく、可愛げなんてない。


今までそんなに男子と会話したこともないし、メアドなんて持ってない。



周りの話によれば、私は、そういうわけで学年の有名人らしい。