「楓雅君は、まだ泣けるでしょう?涙が出るんだったら闇になんて堕ちてない。堕ちてないくせに、悲劇のヒロインぶんじゃねぇよ!泣け」
「っ!!ぅ…ふぅっう…うあああああああああああああっ!!!」
やっと泣いてくれたことに安堵。
悲劇のヒロインみたいになってるやつ嫌いだから、少し怒ってしまったけれど…
楓雅君ならもう大丈夫かな?
「鈴唯…っ!俺の話聞いて?」
「いいの?無理しなくていいんだよ?」
「鈴唯に聞いて欲しいんだ」
「…わかった」
「俺は…奏太と飛鳥に出会うまで、幼馴染とバンドを組んでたんだ。最初はドラムなんて興味もなかったけれど…愛(あい)っていう幼馴染に進められてはじめた。
愛はベースとボーカルで、もうひとりの幼馴染…竜(たつ)がギターだった。
最初は楽しかった。でも、その…俺たちが人気出てきて、女が騒ぎ始めたんだよ
…俺が悪かったんだ。気付けなかったから
愛は、女子にいじめられていた。毎日毎日殴られて蹴られて…
でも、女は服で隠れるところばかり狙ってたから気づかず…
最後に、愛は言ってた」
最後、という言葉にドキリとした
「楓雅のことが好きだった。一回でいいから、付き合いたかったな…って。
その時、俺は驚いて走り去った愛を追いかけることができなかったんだ
愛はその後屋上から飛び降りて…っ」
涙を流す楓雅君を呆然と見ていた

