二人でコピーされた紙をガションガションと留めていく。
目の前には無言の女豹。
しかしこの女豹、何故かめちゃくちゃ仕事が早い。
「め……じゃない、栄兵さん、仕事早いね〜」
何か話した方がいいかな、とニコッと笑ってとりあえず褒めてみる。
先ほど朝霞先輩と一緒にいた時は、むしろ手取り足取り教えてもらってた印象だったけど、こういう単純作業は得意なのだろうか。
すると彼女はこちらを振り向きもせず、「どうも」とだけ答えた。
「こういう作業、得意なの?」
「普通です。
こういう体使う作業よりは、PC作業の方が得意ですけど」
「エクセルとかワードとか?」
「まあ。他には簿記も一応一級持ってるので、そういう仕事も」
……あれ?
「……さ、さっき朝霞先輩にエクセルの表計算聞いてなかった?」
たらりと汗が背を伝う。
簿記一級は持ってるなら大したものだし、
自分でエクセル得意って言うくらいだからそれもなかなかのものなのだろう。
でも私がさっき見たとき、確かに女豹は初歩的なことを先輩から教わっていた、ような。
すると彼女はやっと私の方を見た。
目が合うとその唇は綺麗に弧を描いたけれど、どう見てもその表情は女豹と表現するに相応しい。
「宮戸さん、能ある鷹は爪を隠す、ですよ」
「………め、女豹!!!」
つい叫んだその単語に、女豹は「そう呼ばれてたこともあったわね〜」とますます深く笑んだ。



