「で、行くのか?行かないのか?」
ちらりとこちらに向けられた視線に私は深いため息を吐く。
「……でも、行ったらさすがにストーカーくさすぎて自分でもドン引きなんですけど」
「って言ってもどうせお前、週末やることといえば家に引きこもって狩りに行くくらいしかやることないだろう」
「うっ、何故私がゲーマーだと知って……!?」
「それか家に引きこもって次元の違う何人もの男を手玉に取って満足するつもりか?」
「ぐはっ」
トドメを刺されて床にぐったりとへたり込む。
何コンボも攻撃されて大打撃だ。
確かに私の今週末の予定は家で恋愛ゲームすることだ。そもそも予定と言えるのかも怪しいのだけれど。
「……そんなことしてるんだったら、外に映画でも見に行ったらどうだ?
朝霞くんに会えるかどうかは置いといても」
お前が思ってる以上に、オシャレして外に出るってことは大事なことなんだぞ、と言われると身も蓋もない。
「……そうですね。前向きに検討させて頂きます…」
「うむ。そうしたまえ」
満足げに須藤先輩は笑って、
その日の休憩時間は終わりを告げたのだった。