「さくら…。」


徹平があたしを心配そうに見る。


話ながら泣いていたようだ。


「でもね、高校に上がる時にはお金結構貯まってて、一人暮らしがしたいって言ったの。」


それでもあたしは話続ける。


「そしたら月に8万振り込むんならいいよって。それから定期的に風俗でバイトしてきた。そうしないとあたしは生活していけないの。」


「……うん、…」


「でも、風俗をやる時は絶対彼氏とは別れた。それがあたしのけじめだから。………昨日ね、加奈さんから電話があってお金振り込めって。1年以上働いてなかったからお金なくなっちゃった。」


「…………だから…また、働くの?……」




あたしの過去を話したのは徹平が初めてだった。



それは


徹平が好きだから

とかそんな理由じゃない。


あたしを好きって言ってくれた初めての人だったから。




あたしは


まだ


好き


って気持ちがよく分からない。


あたしの心は枯れてるから。