中学2年生の春





悪夢のような出来事が起こった。


その日は始業式で、3時間で終わった授業の後、

昨日の残った家事をやるために家へと急いで帰った。


「ただいま。」


返事が無い事は分かっているけど


毎回言ってしまうあたし。


リビングには机いっぱいに散らばったビールの缶。


床に酔いつぶれた瞬さんが寝ていた。


瞬さんは仕事もせずに毎日お酒を飲んでいた。


それでも加奈さんは瞬さんの事が大好きらしく、

瞬さんに対してなんの文句も言わなかった。

もちろん生活は苦しいので加奈さんキャバクラの仕事をしていた。



加奈さんのストレスはあたしにむけられる。

加奈さんが帰ってくる前は綺麗にしておかないと家から追い出される。


この家に来て初めての冬に一晩中家に入れてもらえなかった事もあった。



「…はぁ、片付けないと。」