「お前だけだぞ、提出していないのは。」 先生達がカタカタとパソコンの打つ音だけが響いていた部屋に 担任の見た目にもふさわしいドスのきいた声が響き渡った。 「あー、まだ決まってません。」 「決まってなくても、候補を適当に書くだけでいいから早く提出しろ。」 「はぁい。」 ガラガラガラと職員室の扉を開けて少し肌寒い廊下へ出た。 はぁ…、 進路、かぁ 全然考えてないなぁ。