「初めてまして。綾瀬利麻です。」


利麻ちゃんはあらためて礼儀正しいあいさつをした。


「じゃ、行きますか!」


徹平の一声で全員頷いて花火大会の会場へ歩きだした。


「すごい人だねー。イカヤキ並ぶのやだなぁ。」


「ははっ。イカヤキの心配かよ。」


祭事があると必ずイカヤキが食べたくなる

というあたしの発言に笑いながらも

あたしの腰に手を回しぎゅっと徹平の方へあたしを引き寄せてくれた。


「ありがと」

「うん」


あたしがさっきから人にぶつかってるのを気にしてくれたんだろう。