ドキッ
以外にも先に口を開いたのは亮平の彼女の方だった。
「あっはい！」
なんとも間の抜けた返事をするあたし。
「西村…桜子さんですよね？」
「えっ？」
あたしの周りの人は全員といっていいほどあたしの事を‘さくら’と呼ぶ。
それはあたしにとって好都合。
だって桜子なんてどこのお嬢様だよって突っ込まれそうで嫌だ。
…それに、桜子って呼ばれると過去を思い出して吐きそうになる。
それよりも、
どうしてあたしを知っているのだろうか。
亮平がわざわざあたしの話なんてしないだろうし…
「あっ、えっと、あたし桜子さんと同じ学校なんですよ！あたしは10組だから知らないかな…？桜子さん綺麗だって有名だから。」
