繰明をそっと抱き締めて、耳元で呟く。
繰明もそれに応える様に、抱き締めてくれた。
すぐに離れて笑い合う。
「…あたし、家デートがいい。やっぱりあたしと悠貴先輩にはそれが合ってるよ」
繰明はそう言って俺の手を握った。
小さな繰明の手。
俺はこれからもこの手を離さずには居られないだろうな…、なんて思った。
「…そーだな。俺はマイペースだから繰明の事待たせるかもな」
俺は前を見ながら思ったことを口にする。
「…待っててあげます!だから、離すのは禁止です」
俺と繋いだ手を天空に上げる繰明。
その横顔はとても綺麗で見惚れる。
「…ありがとう。俺も少しは焦らなきゃな」
「そうかな?マイペースで歩きたいな…」
フフッと嬉しそうに笑う繰明。
繰明がいいなら…俺もそれでいいかな?
…なんて流される俺。
それでも幸せならそれでよしだよな!