SEEKLETLOVE

「しかし…夢かと思った」





理沙が、チョコケーキを食べながら




ポツリと言った。




「えっ、何が?」





「優が学校に来るなんて、思ってなかった」






顔を上げた理沙の顔には、




涙が溜まっていた。




あぁ。あたしは友達までも




こんなに不安にさせていたのか。





何で、もっと早く学校に





行かなかったのだろう。





一人でもあたしを待っていてくれた人が





いたのに。





あたしは、無力だ。





過去に縛られ続けて






「ごめん…理沙。」





そう呟いても、






許してくれる訳───






「何、謝ってるのよ。私はね、優が学校に来てくれるだけで、また一緒に勉強出来る事が…嬉しいんだよ。だから、謝らないで?」





理沙はいつもこうして




あたしに笑顔をくれた。





友達は何年経っても必要な事に




今はっきり気が付いたのかもしれない。