電波を受信し、それを只映像化するだけの鉄の箱の前で、ただ座っている君と僕。

映し出されたのは、わざとらしい位に激しく堕ちる水滴の中、突然走り出した女を追って飛び出した男。

ちゃんと見ていない僕でも展開が読めるような陳腐な脚本。

隣に座る君にふと目をやると、少し潤んだ瞳で生まれて間もない赤子のように視線を只一点へと集めていた。