彼の名前は鈴谷 祐、すずたに ゆう
ああ、彼の名前っていうのは、あの廊下で会った人影だ。生気を失った彼だ。
私の学校には理科の先生が二人いるのだが、一人が産休で、完全に人手不足だったらしい。
そこで、来たのが彼、鈴谷 祐先生だ
今は夏休みなので皆はまだ知らないが、二学期になったら、理科教師配属になるらしい。
いや、正直まったく興味がない。
ただ、あの黒い目が気になってしょうがないだけだ。
気持ち悪い
思い出しだけで、足がすくむ。
あんなのが二学期に配属になるのか
たまったもんじゃない
あの人が私のクラス担当になりませんようにと願う他なかった。