「…先生」

「はい、なんでしょうか」


次の日の放課後、私は興味本位で理科室に来てみた

予想通りだった。

もの凄い洗い物の山だった


今日は、鈴谷先生の初授業だった。

まあ、私のクラスは理科担当が違う先生なので詳しくは知らないが…

歌野のクラスは理科担当が鈴谷先生なので聞いて見ることにした、そしたら


「ビーカーを尋常じゃない程使う」


と、答えられた


「どのくらい?」


と、聞いたら


「あるもの全部」


と、答えられた

嘘だろう、と思って理科室にきてみたら案の定尋常じゃないビーカーの洗い物の山だった

「…先生、それ」

「やりすぎました、てへぺろ」

「…」


無表情の濁った目でてへぺろと言われましても

「…手伝いましょうか?」

「いいんですか」

「いいですよ、それ、貸してください」

ビーカー洗いをすることになった
あーこの量だと何時間かかるんだろ

「すいません、ありがとうございます」

「まあ、慣れてますから、いいですよ」




「親がいないからですか?」





「…」


なんでこいつその事を知っているんだ?


「…どこで聞いたんですか」


「いえ、普通に教師権限で生徒名簿を見れば分かります。」


「…」


本当なんだこいつ
他人の傷を抉るのが趣味なのか

「…何が言いたいんですか?」







「…いえ、僕もあなたと一緒ということです」