こいこころ

話が途切れた時、ぽつりとハルが呟いた。
表情は見えなかった。



「・・・帰りたくないな」


その言葉の裏は分からない。
だけど、同じ気持ちだったらいいなと思った。



「私も、今日が終わってほしくないよ」




無慈悲にも電車は時間通りやってきて、彼は帰っていった。
電車が見えなくなるまで、私はじっと見送った。