こいこころ

ほどなくして注文した品が運ばれてきて、私たちは手を合わせた。

「「いただきます」」

カフェオレを口に含むと、ミルクの甘さとコーヒーの苦みがほどよくマッチしていて、思わず美味しい、と呟いた。
それを耳ざとく聞いたハルが、喜んでにこりと微笑んだ。

「口に合ってよかった」

それ笑みがとても優しくて、二口目のカフェオレが一口目よりずっと甘く思えた。

それからは映画の話。
他愛もない話。
それから少し部活と学校の話に花を咲かせた。

微笑み、ときに真剣に耳を傾け、二人だけの世界に浸る。

私はあなたのことを知り、あなたは私のことを知る。

傍から見たらカップルみたいに見えるかな。
そうだったらいいな。

そんなささやかな願いを、カフェオレと一緒に飲み下した。