リビングに行くと

少し太った大福がいた。


「大福ぅーー相変わらず可愛いー」


大福の顔に頬をスリスリすると

大福はニャーと鳴いた


「ねぇ、それよりお母さんとかいないの?」


「あー俺一人暮らし
親とは離れて暮らしてんの」


「あ、そうなんだ。ごめん。」


なんかいけないこと聞いちゃった気がした



「謝らなくていーし大丈夫だから。」


「うん....」


「あ、なんか飲む?ジュースでいい?」


「うん。ありがと」


龍太がキッチンに向かっていったとき

大福が私の腕からすり抜け

何処かへ行ってしまった


「あ、ちょ大福っ」

大福を追いかけて行くと

半分だけドアの空いた部屋へ入って行った


入ってもいいのかためらったが

大福を捕まへないといけないと思い

入った。

そこは寝室だった



「大福ど.....」

大福を探そうと思い

ふと目をベットに向けると


そこには.....


一枚の紙が置いていた


その紙には

"転校手続き"

牧瀬龍太

行き先 大阪



と書いてある



「なに、これ.....」


紙をみて衝撃を受けた


転校?


なにそれ....
意味わかんない


そう立ち尽くしてる私に後ろから



「広瀬.....?」



ビクッと肩が上がる


「あ、ごめ....でも.....」


「ごめん。黙ってて」


龍太がうつむき言う。


「全然題大丈夫だから。
龍太が謝ることじゃないし....」



二人の空間に沈黙が流れる


「ごめん。もう帰るね....」


リビングに戻りバックを持って

小走りで玄関に向かい

部屋を後にした。