私の祈りが届いたのは、それから随分経った夏休みのことだった。久し振りに顔を合わせることが出来たから、空渡さんの姿が目に入ってきた時の喜びもひとしおだ。

思わず「久し振りですね!」という大きな声が出てしまう。空渡さんがクスクス笑って「そんなに嬉しかった?」と尋ねてきたので、私は迷わず頷いた。

嬉しいのは当たりだよ。そう心の中で呟く。空渡さんは首を縦に振った私に「僕もです」とはにかんで答えた。“会いたい”という気持ちが同じだったことに、少なからず安心した。



「……今日は楽しもうね。」

微笑する空渡さんに顔いっぱいの笑顔を返す。今日は久々のカラオケデート。その後のご飯で、手紙を渡してお互いの本音を言い合うつもりだ。私達は、馴染みのあるカラオケ屋さんまで並んで歩いた。



 ──カラオケ屋さんに着いて部屋に入れば、二人だけの空間が完成。お気に入りの曲を熱唱し合って楽しい時間を過ごした。

幸せな時間というのは早く過ぎていくもので、私達は名残惜しくも夕食を食べるために近くのレストランへ入った。オーダー後の一瞬の静けさが、私の覚悟を強める。



……今日ここで、私は空渡さんと向き合わなくちゃいけないんだ。