当然のこと、だと思う。ろくに働いたこともないこんな小娘を大事な息子の嫁にするだなんて、母親からすれば不安の塊以外の何でもない筈だ。

きっと空渡さんのお母さんは、空渡さんと同い年くらいのしっかりした女性をお嫁さんに望んでいるに違いない。私だって家事を手伝って、それなりに花嫁修行してるつもりだ。だけど、やっぱり落ち着いた大人の女性が空渡さんの前に現れたら敵わないと思う。私はやっと“彼女”になったばかりなんだから。



「微妙、なのか…」



 空渡さんのお母さんも私を分かろうとしてくれているのかも知れない。だけど、どうしても年の差に目が行ってしまうのだろう。だからこそ、白でも黒でもなくて“グレー”なんだと思う。その気持ちは、何となくだけど理解出来る。

よく“弱冠二十歳”という言葉を聞くけれど、今の私にはそれが妙に痛く聞こえた。二十歳なんて大人じゃない。たった20年生きた人を、世間が勝手にそう認めただけ。

子供みたいな大人達は、昔からの癖が直らないに違いない。他人に八つ当たりする人・レジで自分の会計の番が来ても通話を止めない人・お礼が言えない人……36歳から見た19歳だって、きっとそんなもんだ。