17~電車から始まる恋~

「今日は楽しかったです!本当にありがとうございました!!」

「僕の方こそありがとう。また予定が合ったら出かけようね。」



 空は濃い藍色に染まり、いくつか星が輝いている。私がさよならを言って帰ろうとした時、空渡さんが遠慮がちに口を開いた。



「あの……もし良かったら、僕の車に乗って行かない?駅まで送るよ。」

「えっ!良いんですか!?是非乗りたいです!!」



やった!助手席に乗れる!!と思った私は迷わずOKを出していた。好きな人の車の助手席に乗ることを夢見たことがある人も居るんじゃないだろうか。私も、そんな一人だ。



 ──カーステレオからは80年代のJポップが流れている。きっと空渡さんの趣味だろう。私も少しだけ知っていて、居心地はとても良かった。程良く暖房が効いた車内。会話を交えながら、ドライブは和やかに続いていく。

まもなく駅に到着し、空渡さんが車を停める。縦列駐車がとても上手いことに私は感心した。私も、もっと練習しなくちゃ。



「……陽富さん、今日は本当にありがとう。手紙もチョコもプレゼントも、凄く嬉しかったよ。」

街灯に照らされる微笑。淡いオレンジの空間に、私達は二人きりだった。