──夕食を食べ終えて部屋に戻ると、鞄の中の携帯のメール受信ランプがチカチカ光っていた。

確認すると空渡さんからで、自分も今日のデートはとても楽しんだということと、短い冬休みを有意義に過ごして欲しいという内容だった。

他にも優しい言葉で長々と綴られている。だけど最後の数行まで来た時、微笑が浮かんでいた私の顔が反射的に強張った。



『今日改めてお会いして実感したんですが、陽富さんと一緒に居ると、とても癒されます。もし陽富さんも同じ気持ちだったら、失礼だけどそろそろ僕を彼氏だって認めてくれないかな?』



 こ、これって……遠回しだけど告白だよね!?空渡さん、微妙に変化球だな…

直球でないその言葉が少し残念だったのと、個人的には直接言って欲しかった。分かりにくい告白に、私はこう返信した。



『それは空渡さんが私のことを好きだから、私とお付き合いしてくれるってことですか?』



こうすれば、今度はちゃんと伝えてくれるんじゃないかと考えた。しかし、空渡さんはの返事は『急ぎすぎてしまってごめんね』。まるで話が噛み合わない。

……この時私は、少しだけ空渡さんが“分からないな”と思った。