17~電車から始まる恋~

 素敵な出会いを夢見て生活していたけど、いっこうに兆しはないし、きっかけさえ何処にも転がっていなかった。

毎日楽しいけど、やっぱり何かが足りない。それが“恋”というドキドキ感なのだということは、何となくは分かっていた。



 恋って本当に良いものだ。いつの間にか心に住み込んできた誰かのことを考えただけで、嬉しくなったり切なくなったりする。

私もいつか、また恋をする日が来るのかな…?



 そう思っていた矢先のことだった。“良くないことは立て続けに起こる”と聞くけど、本当にそうなんだと思わされた。

それは寝る前のこと。いつものように次の日の準備をしていた時、鞄の中身を移し替えている作業中に気が付いた。

……いつも必ず入っている通学の必需品・電車の定期がなかったのだ。



「何で!?私ちゃんと鞄に入れたのに!!」



 何で?どうして?どういう経緯(いきさつ)で?私、何処かで落としてきた?

みんなに「陽富ちゃんって天然だよね」って言われるけど、これじゃあ天然じゃなくて“ただのアホ”だ…



……自分を分析しても仕方がない。小さい脳みそをフル回転させて、今日一日の行動を振り返ってみた。