それから何度か電話したけど……ここで一つ問題発生。それは単純に“通話料”だ。

今まで親と連絡を取ったり友達と少し話したりするくらいだった私は、通話料はほとんど要らなかった。メール代やネット代はパケット代定額のプランに入っているから良しとして、通話料がかさめば親から携帯を取り上げられるかも知れない。

かと言って、空渡さんに「これからは空渡さんから電話していただけませんか?」とお願いするなんて図々しい。解決策は…



「……あっ!そっかぁ!!」

メールアドレスを教えてもらえば良いんだ!何でこんな簡単なことに気付かなかったんだろう……そうと決まれば次に電話した時に交渉だ。悩みを解消する小さな出口が見え始めて、私は安心して息を吐いた。



 ──私達は無事にメールアドレスを交換して、やっとメールのやり取りがスタートした。

意外だったのは、いかつい外見に似合わず空渡さんのメールが可愛いこと。絵文字がふんだんに使ってあって、チラリとそれを見せてあげたある友達は、「私のメールより可愛い…」と唖然としていた。

しかも長文で、今まで同世代の男の子の短文メールしか見たことがなかった私はとても驚かされたのを覚えている。