17~電車から始まる恋~

 手の中を見つめる。初めて高天さんからもらった物が、そこにあった。

凄く嬉しくて、壁にもたれて下を向いたまま小さく笑った。高天さんは運転中で、他のお客さん達も朝早いからみんな眠そうだ。誰も私の密かな喜びには気付いていなかった。

もらった時刻表を、大切に大切に手帳に挟んで鞄にしまい込む。これだけは、絶対に失くさないようにしようと思った。



 ──学校に着くと、俄然やる気が出てくる。退屈な授業も頑張れたし、好きな授業はもっと楽しく感じた。

恋の力って凄いなぁ。相手の行動や言葉のたった一つが、自分の世界を変えるくらい影響してるなんて。

“君は僕の太陽”っていう歌詞を見たことがあるけど、本当にそうだと思う。“太陽”はいつも、この胸を激しく焦がしてくるから。



「……またみんなに話聞いてもらおうっと!」



 嬉しくなると、ついつい口が勝手に動く。慌てて口を押さえたけど、幸い誰にも聞かれていなかった。

私はホッとして、次の授業を受ける教室に向かった。今日のお昼は生憎みんなと一緒に食べられない。4限目の授業の前に話を聞いてもらうことにした。