17~電車から始まる恋~

 ──その後の、二人からのサイン入りポスターの手渡しと握手会。奏音ちゃんは涼しい顔だったけど、内心ガチガチに緊張していたらしく、結局「頑張って下さい!」しか言えていなかった。

私はそんな奏音ちゃんを見て小さく笑ってしまった。「今日初めて来てファンになりました!」と言うと、二人は凄く嬉しそうに「ありがとうございます!!」と言ってくれた。

繋いだ手は、凄く温かで。もらったポスターも一生大切にしようと思った。



「楽しかったねー!奏音ちゃん、今日はありがとう!!」

「どういたしまして!また一緒にライブ行こうね!!」

「うん!じゃあまた明日、学校でー!!」



 笑顔で手を振って、私達は駅で別れた。帰ったら早速CD聴かなくちゃ!意気揚々として改札を通る。少し残念だけど、電車に空いている席はなかった。

いつもならガッカリしているだろうけど、今日は平気だった。それも全てライブのお陰。明日から学校頑張ろうって、元気をもらえたから。



 ふと、車内に車掌さんが入ってきた。私と彼の視線が交わる。私は息をするのも忘れるくらいに驚いてしまった。

……目の前に居たのが、あの時定期のお礼を言った男の人だったから。