17~電車から始まる恋~

 CDを買って戻ると、MCも少なくして、病気で亡くなった女の子に捧げたという曲の演奏が始まった。お客さんはみんな息を潜めて、歌う二人を見守っている。

大きな病気もなく暮らしていると、生きていることが当たり前なんだと思ってしまう。悩みがあることは実は幸せなんだということを忘れてしまう。この曲は、大切なことを沢山教えてくれた。

奏音ちゃんは「初めてこの曲聴いたのは咲町二丁目がやってるラジオだったんだけど、思わず泣いちゃったんだ…」と話してくれた。私も泣きそうになったから、その気持ちが分かる気がした。

それから二人は、ファンの間でも人気が高いらしい“夕陽”がタイトルに入った曲を歌ってくれた。“永遠とはどれくらいか”を訴える曲。何だかとても、切なかった。



「……じゃあ、次が最後の曲になります。」



 お兄ちゃんが言った瞬間に「えーっ!?」という不満の音波が湧き起こった。ステージ上の二人は小さく笑った後、今回のイベントのきっかけとなった新曲を歌ってくれた。

“いじめ”や“自殺”が多い、闇のようなこの世の中。悲しいニュースを見て、辛かった時の自分と重ね合わせて作ったというハードな曲は、私達の胸に確かに届いた。