17~電車から始まる恋~

 曲は何て言うか……凄く温かかった。一言で言うと“癒し”かも知れない。ハイヒールを履いて日々戦う女性達への応援歌は、とても元気が出た。奏音ちゃんが好きだと言った訳が分かった気がした。



「凄ーい!!歌もギターも上手いね!!」

興奮する私に奏音ちゃんは、「でしょ?」と嬉しそうに笑う。私は二人の歌と演奏に聴き惚れていた。



「……ありがとうございます!次は、幸せな時じゃなくて男女のすれ違いがあった時に書いた曲で…」



お兄ちゃんのMCの後スタートした、ゆったりとしたラブソング。弟君の伸びやかな歌声が、冷たい空気に乗って私達に運ばれてくる。サビ部分にお兄ちゃんの声が重なると、綺麗なハーモニーを奏でた。

タイトルに、この曲がラブソングであることがズバリと記されている。一番大事な物に気付くことが大切なんだと、教えられた。



「……ねぇ、今CD買って来ても良いかな?」



 気付いたら、口がそう喋っていた。奏音ちゃんはニコリと笑って、「良いと思うよ!でも、演奏中だからなるべく静かにね」と言った。

会場の片隅でお金を払い、お姉さんからCDと整理券を受け取る。私はホコホコした気持ちで奏音ちゃんの元へ戻った。