恋に関しては積極的で、どんどん突き進む私・佐藤陽富(さとう ひとみ)。友達も舌を巻いてしまう程だ。

他のこと──例えば勉強に関してはかなり消極的になってしまうことがあるから、大学で知り合った友達はそのギャップにいっそう驚いていた。

因みに私は、当時有名だったアイドルグループ“シュガー”の佐藤瞳と、名前の漢字は違うけれど同姓同名ということでよく注目された。



 不幸の始まりは、大学生になって少し経った頃。高校生の時から二年間片思いしていた瀬尾達也(せのお たつや)とご飯を食べに行った日から、私のツイてない日々は幕を開けたのだ。

その日私は、今日こそ告白するぞ!!と意気込んでいた。お洒落もメイクもバッチリして、緊張しながら待ち合わせ場所に行って、食事中もほとんど黙ったままだった。



彼が心配して「あんま食べないんだね。大丈夫?」と言ってくれた時も、ただただ笑ってごまかしていた。

いつ言おう、いつ言おうと思って関係のない話を続けていたけど、遂に決心した。勇気を出して告白。震える声で彼に思いを告げた。



……なのに。返ってきた言葉は、あまりにも予想外だった。