定期紛失事件……と言っても私の勘違いだったんだけど。あれから数週間が経った。学校は相変わらず楽しくて、プライベートも充実している。一昨日は恵梨乃ちゃんと真里ちゃんと奏音ちゃんと初めてカラオケに行った。

みんなノリが良いし、歌も上手くてびっくり。私はみんなに誉められて、舞い上がった気持ちのまま一週間をスタートさせた。



「陽富ちゃんおはよう!この前はカラオケ楽しかったね!」

今朝一番に会ったのは真里ちゃん。私は嬉しくなって、思わず大きな声を出す。



「真里ちゃんおはよう!またみんなで行こうね!!」

「うんうん、絶対ね!ところでさ、教職のレポートのことなんだけど…」



 月1で出るレポート課題について話していると、知らない内に学校の最寄り駅に到着していた。私と真里ちゃんは電車を降りて、肩を並べて歩き出した。



「それにしても無茶苦茶だよねぇ!こんな難しい課題を毎月出すなんて…」

「そうだよねぇ……でも、教師になるにはこのくらい頑張らなきゃいけないってことなのかもね。」



お互い溜め息をつきながら、キャンパス内に足を踏み入れる。私達は一旦別れて、それぞれの授業へ向かった。