17~電車から始まる恋~

「……ふざけるんじゃない!!この鉄道はどうなってるんだ!!管理が甘いんじゃないのか!?ウチの娘は往復四時間もかけて学校まで通ってるんだぞ!!もっと探したらどうなんだ!!」



 ──びっくりした。叫んだのは、何を隠そうウチのお父さん。勤務していた駅員さんや通行人が何人も振り向いて、私は物凄く恥ずかしくなった。

何もこんなに人が居る所で叫ばなくても良いのに……私の頭には、一刻も早くお父さんをここから遠くへやることしか浮かばなかった。



「お父さん!もう良いから!!駅員さん、ありがとうございました!!」

私はまだ何か言いたげなお父さんの腕を引っ張って、無理矢理車へ連行した。これぞ正に“赤っ恥”だ。何で私が恥かかなきゃなんないんだろう……対するお父さんは、至って平気そうだった。



「……お父さん、もう良いから。私が悪いんだし。」

「そりゃあ元はと言えばお前が悪いけどなぁ、あの駅の管理の甘さも問題だと思うぞ。」



 乗り込んでドアを閉めると、カーステレオからラジオの天気予報が流れる。それっきり、私達は一言も口を利かなかった。お父さんと私の考えていることは違う。車を降りるまで、沈黙が二人を支配した。