《梨花side》

夜、誠から何回も電話がかかってきたけど
出ることができなかった。

今話したらボロが出る…。

どうしよう…どうすればいいの…?!


「梨花ー!お隣さんに引越しのご挨拶しに行くわよー!」


こんなときに………
しょうがない…行くか……











「あらやだー!オホホホホ」

「中原さんってばやあねー!オホホホホ」


…………お隣さんちに挨拶に行くだけのはずが………
もう仲良く立ち話ですか……ママ……。


「あっそういえば、大神さんちの息子さん!うちの子と同じ年よね?!」


え………
大神さん?!同じ年?!

まっ…まさか………………


「そうだったわねえ!少し待ってくださる?健二呼んでくるわ!」


けっ…健二ーーーー!!!!!!
やっぱり!!!!!!!!


「あっあの!もうここら辺で失礼します!
ママ!ご飯作ってる途中でしょ!!」

「あらやあねぇ!オホホホホ!
この子ったらそんなにお腹減ってるのねえ!オホホホホ!
それじゃあ失礼しますわっ」


ママ……………………。













はぁ、もう最悪だよ…………
大神くんと家が隣なんて………。

あ!もしかして!
昨日、道聞いて驚いてたのも
私見てニヤッと笑ったのも
お隣同士って気づいたからか!!!

あ〜〜〜もう!!!

本当は誠に全部話して
相談に乗ってもらいたい…。

でも内容が誠に話せることじゃない…!

とりあえず……
誠に電話しないと………
心配するよね…。


「あっ、もしもし、誠?」

『梨花!良かった…電話に出ないから心配したよ…』

「ごめんっ!本当にごめんね!なんかバタバタしちゃって…」

『そうだよな。忙しいよな…。大丈夫か?』

「大丈夫大丈夫!」


誠にボロが出ないように気をつけて
電話を終わらせた。

誠…本当にごめんね…。