《梨花side》

「梨花、大事な話がある…」

「なーに?パパ」

「パパ、転勤になったんだ。」

「…えっ…?」

「家族みんなで東京に引っ越さなくちゃ行けないんだ。」

「と、東京…?!」


私、中原梨花は東北の田舎の方で
静かにのんびり暮らしていましたが

突然パパから東京へ引越しを告げられました…。

そ、そんなあぁぁぁぁ~!!!








「…とゆうわけになってしまって…
東京に引越しすることになったんだ…」

『東京?!引越しって…いつだよ…?』

「……明日…」

『あ………明日ぁ?!』


私の彼氏、高崎誠には引越しのこと
最初に伝えなきゃいけないと思って
電話してるんだけど………

誠と離れるなんて……(泣)


「…っま…誠ぉ…離れても気持ちは変わらないよねぇ…?!」

『当たり前だろ?!変わんねえよ!』

「うぅ…よかったぁ…」

『泣くなよ…。毎日電話しような。』

「うん…!」


うえぇぇぇぇ~誠ぉ大好きだよ~!!











「梨花~!準備できたー?そろそろ行くわよー!」

「…今行くー!!」


昨日の夜から寝る暇もなく急いで引越しの準備をして
やっと準備が終わったのが
今、朝の8時…

もう行かなきゃいけないのか…
誠や学校の友達に挨拶できないのかぁ…(泣)


「梨花!!」

「ま、誠!!みんなも…!!来てくれたの?!」

「梨花っ離れてても友達だからねっ!
手紙も書くし電話もするからねっ!!」

「うんっ…うんっ!!」

「梨花…遠距離になっても俺らは何も変わんねえからな!」

「誠…みんな、ありがとう…!そろそろ行くね…!本当にありがとう!!」

「「「梨花ー!またねー!!!」」」


み…みんなぁぁぁぁぁぁ~~~













「………んか!梨花!!起きて!」

「ふぇ…?着いたの…?」


車の中でいつの間にか寝てたらしく
外はもう真っ暗。
そして田舎の地元とはかけ離れた景色…

とかい、トカイ、都会!!!!

もう夜中のはずなのに
外が騒がしい…


「…で…家どこ…?ビルしかないけど…」

「梨花がスヤスヤ眠ってる間にパパが道に迷ったのよぉ!!」


道にまよ…………
えぇーーーーーー?!!!!!

「ごめん梨花…パパ実は方向音痴で…ははっ。東京はわからんなぁ!」

「笑ってる場合じゃないよ!パパ!!なんでこんな分かりやすい地図があるのに迷っちゃうのー!!!」

「怒らないでくれぇ梨花…あっ!あそこの人に道聞いてみよう!」


全く………困った………


「すいませーーん!!すいません!!道を訪ねたいんですがいいですか?!」

「え…あっはい…」


わあ………
この人……すごいイケメン……!!
東京の人って感じすごいするー!!!


「この地図のこの場所ってどこの道行けばいいか分かりますかね?」

「え?!ここですか?!」

「はい!」


…なんでそんなに驚くんだろう……
もしかして…なんかやばいとこなのかな…!?
えー!!やだよ!!
新しいお家がやばいとこなんてやだーーー!!


「こっち行けばいいんですか!!
わざわざありがとうございました!」

「いいえ。」


えっ…………
今、このイケメンのお兄さん
私見てニヤッとした!!!!

もう相当やばいとこなんじゃないの?!!


「よーし!ママ!梨花!もう大丈夫だ!」

「パパ…帰ろうよ…」

「なに言ってるんだ梨花!新しいお家はキレイだぞ~!」


そのキレイなお家がやばいとこなんだってばーーーー!!!絶対!!








「さー着いたぞー!」

「今度は迷わずに来れたわねん!さ、梨花
!行きましょ!」


着いちゃった………

ん……?あれ?普通のとこじゃん!
さっきまで騒がしくて都会臭やばかったのに
普通の住宅地じゃん!

なーんだ!安心!

でも…なんであのイケメンのお兄さん…

まっ、いっか!


「梨花~、パパがね、梨花のために
こんなキレイな家探したのよ!」

「え?!そうなの?」

「パパには梨花に秘密って言われたけど
梨花が少しでも安心出来るところって
一生懸命探してたみたいなのよ!」


そうだったんだ……


「パパ!」

「なんだい?」

「私、この家気に入ったよ!」

「そうかそうか!よかった!」


誠やみんなと離れちゃったけど
なんとかやれそうな気がするよ…!


「梨花は明日からここから近くの高校に通うことになるから今日は早く寝なさいね。」


そっか…新しい高校か…
がんばろ…!